漢方SUGEE!! 舌についた歯の跡とアレルギーのカンケイ

漢方は理論だけ学んでいると一見科学に反していて、すべてプラセボのように思えたりする。それなのに、西洋医学がまだ発見できていない機序を先回りして生かしていて、驚くことがある。漢方は人間のはらわたを覗かなかったけれど、ブラックボックスを外からいじり回した結果、西洋医学ではなかなか手の届かない深部のスイッチをちょうどいい加減で押すことがある。

漢方では、舌の形状や色がよく体の調子を反映していると考えられており、舌診が重視される。正常な舌は鮮やかなピンク色で、適度に苔がついており、滑らかでほどよく引き締まっている。体調がどこか悪いと、舌もどこかおかしくなる。

漢方の大和屋[舌でチェック!お血のタイプ]

わたしの舌はぼてっと膨らんでいて両脇に歯の跡がついていて、気虚である。この体質の人は気*1が足りず、水が滞ってしまうらしい。だからむくむ割に、肌など必要なところに水がいかない。体内には水は十分ある癖に、行き渡ってないから足りない気がして喉が乾き、取った水でさらにむくむ。尿としてはうまく出てくれない。水滞は、むくみはもちろん、頭痛、めまい、倦怠感、関節痛などの原因になる。これらの症状は、湿度の上昇や低気圧でより悪化する傾向にある。

水滞は免疫のバランスを崩してしまうのもよくない。関節リウマチなどの自己免疫病やアレルギー性鼻炎にもなりやすいのだ。

どうすれば水滞が治るかというと、基本的には水を制限し気をアップさせればいいので、

  • 冷たい飲み物や、コーヒーや緑茶などの体を冷やす飲み物を避けること。紅茶やほうじ茶や番茶ならよい。
  • 温野菜など体を暖める食べ物を取ること
  • やたらに水分を取らないこと。口寂しいときは水を口に含む程度にする。
  • 運動すること

などが大切とのこと。これでどうにもならなければ、いよいよ薬に助けを求めることになる。

水滞には五苓散が定番なのだが、最近この五苓散は水を通過させるチャンネルのアクアポリンに対する遮断作用をもつことがわかった。五苓散には猪苓や蒼朮を含んでいるが、これらはそれぞれ亜鉛や水銀を微量に含んでいる。これが、どうやらうまい具合にアクアポリンを遮断してくれるらしい。 DOJIN NEWS / Review

アクアポリンにはサブタイプがあり、それぞれ発現している箇所が違うのだが、実はAQP5が免疫の亢進に関係していることがわかった。AQP5の発現が亢進すると、サイトカインが増えるのである。五苓散は、AQP5を遮断することで、間接的に炎症を抑えてくれる。 http://www.inm.u-toyama.ac.jp/jp/collabo/h23_download/report/23_2.pdf

つまり、水がたまると毒になる、というのは、だいたいあってる!とそういうことなのだ。漢方、SUGEE!

*1:わたしも勉強中なので確信がもてないけど、たぶん元気の「気」だと思っておけばよい